次は戦場で会いましょう

かんがえたことを書き記す。

イナズマイレブンGOギャラクシーのはなし

今期からアレスも始まりましたし、イナズマ界がかなり賑わってきているように感じます。わたしも深夜枠で見ています。万作くんがかわいい。

せっかくなので、いつもの備忘録はちょっとおやすみして、わたしが一番好きなイナズマイレブンの話をしようと思います。

イナズマイレブンの事をよく知らない人にも分かるように説明すると、イナズマイレブン(以下イナイレ)は「円堂世代」「天馬世代」と分かれており、現在放映中のアレスは「円堂世代のパラレルワールド」です。

円堂世代は中学二年生GKキャプテン、円堂守が主人公。天馬世代は中学一年生MFキャプテン、松風天馬が主人公。かつ天馬世代は、円堂世代の10年後という設定です。「イナズマイレブン」「イナズマイレブンGO」とタイトルが違いますね。あと「無印」「GO」とか言われたりもします。

わたしが好きなのは天馬世代の「イナズマイレブンGOギャラクシー(以下イナギャラ)」です。イナイレは大体一年周期でストーリーがガラッと変わるのですが、イナギャラは天馬世代の最終作で、「ギャラクシー」の名の通り宇宙でサッカーしたりします。

 

はい。宇宙でサッカーです。某超次元テニスは演出でコスモが広がってたりしていましたが、これは比喩でもありません。

「宇宙でサッカー」だけだと「は?何それ超次元乙」で離れていく人もいると思います。

加えてイナギャラは、メインとなるサッカーチームに、今までの主要キャラが三人しかいません。二年間前シリーズまでで培ってきた思い出はほとんど蚊帳の外です。そして今まで試合でメインになってきたシステムもほぼさようなら。システムもキャラクターもほとんど新規。

三作目とは謳っていますが実質一作目です(?)。わたしも最初にキービジュアルを見た時はオイオイ何してるんだこれと思わずにはいられませんでした。イナイレクラスタはキャラクターファン色が濃いところもあるので、わたしのTLは結構荒れていたのを覚えています。まだ若かったのもあっただろうけど。

 

さて、そんなイナギャラですが、具体的にどんな所が好きなのかじっくり語っていこうと思います。せっかくのブログなのでこういう活用もしなくては……。

ここからは好母ひおり個人の感想、意見になります。あしからず。

 

おおよそはこちら。

・キャラクターの掘り下げが好き

・各キャラクター達の性格その他の「立ち方」が好き

・ぶっ飛びながらも突き詰めると王道路線を通っているストーリーが好き

 

という事で、順番に。

・キャラクターの掘り下げが好き

これは、「掘り下げ方」と言っても良いです。

イナイレは大抵、主人公が学校に行き、学校、部活での生活が描かれるので、基本的に主要キャラのプライベートを描く事は少ないです。家が出てきたとしても、家庭内の問題だとかはあまり出てきませんでした。無印だと豪炎寺と鬼道さん、GOだと剣城くらいかな……?神童さんも確か家なら出てきた。

その家庭内事情が出てくるのは中盤〜後半である事が多いです。ある程度キャラクターを知ったところでお家に行ったり、家族が出てきたり、ということが多かったのですが、イナギャラはそこが異なります。

 

イナギャラの主要キャラは11人中8人が初登場になりますが、各キャラクターの主役回がそれぞれ用意されています。

初登場のキャラクターは各々サッカーとはまったく関係の無い分野で生きてきて、事情があって日本代表(建前)に加わっているのですが、その事情が序盤でしっかりと明かされるんですよ。8人分しっかりと。

ここが、わたしがイナギャラに惹かれたきっかけでもあります。ここまでキャラクターひとりひとりを描写するの、結構珍しいと思ったんですよ。

初登場のキャラクターばかりでうーんってなってたのが、ここで一気に吹き飛びました。おお、面白いじゃないか、イナギャラ!

 

・各キャラクター達の性格その他の「立ち方」が好き

そしてここに繋がります。

掘り下げられるに連れて分かることですが、初登場のキャラクター達はサッカーではないジャンルのプロフェッショナルが集まっています。

陸上、ボクシング、バスケ、新体操、数学、人間観察……。あと九坂くんの不良頭とこのはちゃんの芯が強い優しさでしょうか。後々歌舞伎も加わりますね。

各々目標やら叶えたい願い事のために集まっていて、後になってこのメンバーは「ソウル」という隠された力が秘められていたことが発覚します。

 

イナギャラがリアルタイムで放送してた時、こんなツイートをちょくちょく見ました。

「結局イナギャラって、才能が全てだから好きじゃない。前に出てきたキャラクターはあんなにサッカーが好きなのに才能がないってだけで出れなくて可哀想。サッカーが好きって気持ちで努力が実る前の方が良いな〜」

いやいや、いやいやいや、待ってください!!!

これ、もう4年くらい前から流れてきてた言葉なんですけど、当時からめちゃめちゃ引っかかってたんですよ!!今ならその違和感の正体がわかります。

 

イナギャラの新規メンバーの中で、「才能もあって好きって気持ちもあるのに決して実らなくなってしまった」子がひとりいるんですよ。

ボクシングが命だった鉄角真くんです。

ひたすらボクシングに打ち込んで、体力作りをしている時もシャドーボクシングを欠かさないような子です。けれど、怪我をしてボクシングが出来ない身体になってしまいました。

好きって気持ちもある。才能もある。それでも怪我のひとつで続けられなくなる。

スポーツ選手の恐ろしい落とし穴です。実際、鉄角くんの初登場時は、言葉の端々が尖っていて近寄り難い雰囲気を出しています。本当はみんなを励ましてくれるムードメーカーで、男らしく、明るい男の子なのに。

才能がすべてだなんてとんでもない。むしろイナギャラは「才能がすべてではない」ということを教えてくれる作品です。

 

たとえ才能があったとしても、いくら目標があったとしても、体験したことのないジャンルに飛び込んで、しかも日本代表として頑張っていくのは並のメンタルでは無理です。

それでも、新規メンバー達は、少しずつこんなことを言っていくんです。

「サッカーって楽しいじゃん!」と。

知らないことを好きになっていく。興味のなかったことに楽しみを見出していく。これ、イナギャラの最高の魅力だと思っています。

思い出してください。彼らはサッカーとは関係のない、プロフェッショナルの人間達です。

プロフェッショナルってどういう事かというと、努力の大切さを知っているんですよ。

練習の大切さを知っている人達です。地道な積み重ねの大切さを知っている人達です。それはジャンルのまったく違う土地、畑が変わろうと、何も変わりません。

 

わたし、推しが井吹宗正くんなんですけど、彼が好きになったのもそういう所がきっかけだったんです。

新設日本代表は、たくさんの観客が見守る大々的な練習試合で、無様な姿と大敗を晒しました。大ブーイングの嵐を受けます。

その夜、今までの主要キャラだった三人は、素人を入れるなんてどういう事だと監督に抗議をしに行きます。その場所に、井吹くんが練習をしに訪れるんです。

この時ボロクソに叩いてた神童さんに言いたい事は山ほどどころか富士山ほどあるんですけど、この際それは飲み込みます。中学二年生だもんねそういうこともあるよね。ねー。

どんな大敗だとしても、負けたから、もっと努力する。知らないジャンルだからって諦めずに、黙って練習して一人前になろうとする。スポーツ選手としてこれほど適正持った人もそういないですよ。ただ井吹くんの場合は人と練習することを知らなかったので、かなり不器用な形になってはいますけど……。

ここで井吹くんを好きになりました。きっとバスケでもそうやって上手くなっていったのだと思いました。

井吹くんは悔しさをバネにするタイプで、ひたすらシュートを受け止める練習をしていました。ゲームでは、自分の蹴ったボールをひとりで受け止めていたような描写もあります。

「もうやーめた」なんて絶対に言わない。絶対に見返してやる。絶対に諦めない。ズブの素人だと言われても、決して諦めなかった。それに負い目を見せず、ひたすら自分の出来ることに打ち込んだ。自分に出来ることを。自分が身に付けているスキルを生かして。

 

めちゃくちゃ魅力的だと思いません!??!!!??わたしは思いました。とても思いました。誤解されやすいけど、根は本当に真面目なんですよ彼。ツイッターではものすごいいじられてたけど。

 

あと、イナギャラという物語の華やかさに一役かってるキャラクターがいるんですよ。

彼がいるから、イナギャラはここまで面白い話に出来たのではないかと思っています。何より、「サッカーが好きな少年」という設定を付けてしまっては一気に魅力が損なわれるようなキャラで、イナギャラでしか実現出来なかった人だと思います。

 

誰かというと、皆帆和人くんです。

彼の事を未だにイナイレ界のダークホースだと思っています。シリーズ通しても彼のような切れ者はいません。

皆帆くんは、人間観察が好きで、警察官を目指している男の子です。CVは代永翼です。皆帆くんの代永すごく好きなんだよな!!

それで、彼、鋭い故に、そしてまだ中一と幼い故に、思いもよらない作戦を立てては周りを驚かせるシーン、仲間に核心を突きつけるシーンなど、「中一のサッカー好きな男の子」という設定では成し遂げられない事の数々を飄々と達成しているんです。

今までイナイレで突拍子もない作戦と言うと、監督が訳の分からない事を言い出す→半信半疑でみんなやる→すごい!好転した!監督、スゲー!な流れが一般的だったんですよ。

それがイナギャラでは皆帆くんになります(全部ではないけど)。うわっ皆帆何やってるんだと言われながらも、自分の観察能力を信じるままにフィールドを駆け抜けます。この自由度がダークホースです。サザナーラ戦とか際立っていました。

多分イナギャラのダークホースと言うと、瞬木隼人くんが真っ先に挙げられそうです。彼は彼で色々抱えていましたが、イナギャラの物語に華を添えていたのは皆帆くんだったのではないかと。カリスマ性とはまた別の問題で、「何をしても皆帆だからと納得できる」みたいなところがあるんですよ。

万人に愛されるようなキャラクターではないけど、間違いなく「良いキャラしてる」と言えますね。シリアスもギャグも優等生でした。

 

・ぶっ飛びながらも突き詰めると王道路線を通っているストーリーが好き

イナギャラは登場人物の大半が宇宙人です。宇宙でサッカーするので。

けれど、やっぱり根っこは王道の熱血系漫画なんですよ。

・集められた仲間達と絆を深めて強い相手と戦う

・苦しくても今までやってきた練習が応えてくれる

素人と周りから罵られながらも、初登場メンバー8人は必死に練習して強くなりました。ふえ〜なんですかこれ><と弱気になる眼鏡男とかはいましたけど、わたしの記憶では、メンバーがサッカーに興味が出てからは練習をサボったりするシーンは見当たらなかったと記憶しています。

彼らは勝負のプロフェッショナルだったからではないでしょうか。わたしはそう思っています。

イナギャラは20話前後で話の方向性が全然違うものにシフトしていくんですけど、わたしはサッカーを練習して好きになっていく過程が好きなので、前半を見返すことが多いです。

そして今作は今まで以上に監督が使い物にならないので、メンバーみんなで乗り越えていく感じが良かったですね。ひとりの圧倒的なカリスマ性と言うよりは、皆が協力し合って助け合っていく。

そういうの好きなんですよ。何故かと言うと、ひとりのリーダーがすべてを賄うには限界があるじゃないですか。人と人の相性もあります。どんなに実力が優れた人間でも、見る人が変われば下らないと笑われたりします。

イナギャラは、そのあたりがとても巧妙だったと思います。悩んでいる人に一番寄り添える人間がカバーを出していたりします。

そんな仲間と共に過ごした後、イナギャラのメンバーは各々の生活に帰っていきます。サッカーはこれきり、という人もいれば、サッカーまだ続けるよ、という人もいます。

これもまた良い!!

イナギャラは他のシリーズより「キャラを際立たせる」という点では本当に特出していると思っています。皆が同じ考え方をしない、選ぶ道はひとつじゃない、助ける人はひとりじゃない。

それでもみんな前を向いていく。出来ないと笑われたことも諦めずに向かっていく。

 

長くなりましたが、イナズマイレブンGOギャラクシーの面白さは、色んなジャンルから優れた人間を集めることによって、個性豊かなストーリーが展開されるということなのではないでしょうか。

そして、優れているというのは、才能があることじゃない。強いて言うなら、努力をする才能がある人達が優れていると言える。

そんな熱い物語こそ、わたしが一番好きなイナズマイレブンです。