次は戦場で会いましょう

かんがえたことを書き記す。

ワールドトリガーという「歴史漫画」のはなし

連載再開おめでとうございます。読者のひとりとして続きが気になっていたので、おめでたいニュースでしたね。トレンド入りも果たしていて、根強い人気があることにほっこりしていました。

ということで、せっかくなので、記念のプレゼン記事を書こう。

初めに言っておきますと、わたしはワールドトリガークラスタではありません。ワートリ最高!全員読んで!という者ではありません。読者ではありますが、友人から単行本を借りて全巻一気読みした程度の者です。

それでもプレゼン記事を書きたいなと思ったのは、ワールドトリガーという作品は、ジャンプ漫画の中でもかなり異彩を放っているように見えたからです。

わたしはドラゴンボールNARUTOONE PIECEジョジョなど、王道と言われるジャンプ作品は一通り履修しています。好きな作品はラッキーマンです。そんな人間にとって、ワールドトリガーはとても「面白い」漫画のように思えたのです。

結論に触れて言いますと、ワールドトリガーは「少年漫画の王道」ではありません。かつ、「チート物」と呼ばれるラノベ系の世界とも一線を画しています。

独自だからこそ異彩を放っているのです。逆に言えば、そこにハマらない人には地味だったり、違和感があったり、面白いと思えないような漫画です。

だからこそプレゼンをしたいと思いました。だからこそ記事を書いています。

これはコアだからこそ広く知られないともったいない!!

そんな思いで記事を書いていることを、最初に述べておきます。

 

そもそもワールドトリガーはどんな話なのかというと、異世界からの侵略者と戦うために、少年少女が防衛機関に入って頑張る話です。少年少女です。

ここがワールドトリガーのポイントです。明確なひとりの主人公がいません。「それっぽいポジション」「主役級のキャラクター」はいますが、「主人公」は存在していません。この時点で、ジャンプ漫画としてはかなり珍しいと言えます。

そしてわたしが何より「異彩」だと思ったのは、この漫画の主役はストーリーではありません。

この場合のストーリーとは、ドラマ的な、人間の心情の動きや葛藤等を指します。この漫画の核は、そこではありません。これはキャラクターブックの作者コメントを見るとよく分かりますが今回は割愛。

この漫画の面白みは、ダイナミックな戦闘シーン、人物の動きによる物事の変化。この二点だと思っています。

 

ワールドトリガーは(アニメは見てないので言い切れませんが)ほとんど戦いでコマが埋まっています。作画コストも、戦闘中の建物の崩壊の仕方が週刊漫画のそれではありません。そしてその戦いも、少年少女達が作戦を緻密に練り、いかにその作戦を予想通りに遂行出来るかが鍵となります。

そこにはおっかなびっくりの大逆転劇も、力の覚醒もありません。ここが、好き嫌いが分かれる一面だと思います。「そうは言っても、漫画だし夢欲しいよね~」という人には別の漫画をオススメしましょう。

しかし逆に言えば、ワールドトリガーはその作戦や特訓が実る事の楽しさを味わえると言えます。この作品が戦いと同じくらい尺を裂いているのが各々がどう戦うかの会話です。

自分達の力をどう使いこなしていくか。そしてそれを使って敵とどう戦うか。この作戦会議がとにかく濃い作品です。そして群像劇なので敵味方関係なく皆会議します。「そんなんどうだって良いでしょ~」と言ってる人は分かりやすくやらかして負けます。

この展開を楽しめるかが、ワールドトリガーを楽しめるかの大きな鍵です。

 

そしてそのような戦闘に力を注いでいる分、「ドラマ」は最小限です。ないとは言いません。キャラの思いや性格、過去はしっかりと存在していますので、キャラクターに魅力はあります、が、そこは作品のメインではありませんワールドトリガーは度々キャラクターの魅力が作品の魅力として取り上げられますが、あまりキャラクターの掘り下げに期待をしすぎると肩すかしを食らうかもしれません。

わたしはワールドトリガーを「歴史漫画」のような見方で読んでいます。キャラクターが動き、それによってどうなるかを味わう。いつも漫画は「キャラクターがどういう思いで動くのか」を重視して読んでいるわたしにとって、かなり特殊な方向で漫画を楽しめていると思っています。

ワールドトリガーという作品をよく表している言葉があります。

「(物事の勝ち負けに)気持ちの強さは関係ないでしょ」

これから読む人のために誰の発言かは伏せますが、この言葉、よく名言として取り上げられます。

わたしはこれをワールドトリガーという作品が自分に合ってるかの指標にしても良いと思っています。

これを聞いて「確かに」「良い言葉だ」と思った人は、是非!読んでみてください。ほぼ確実にワールドトリガーという作品を楽しめると思います。

 

以上の事から、ワールドトリガーはこんな人にオススメします。

・キャラクターが勝つまでの過程を味わいたい人

・人々の行動が交差する群像劇が好きな人

・練り込まれた世界観とキャラクターが好きな人

・戦闘シーンがたくさんある漫画が好きな人

・上記のセリフに納得出来る人

物語の中で起こっている盤上全体をまんべんなく楽しみたい人にはオススメ出来ます。

 

そしてこんな人にはオススメ出来ません。

・キャラクターが勝った結果を楽しみたい人

・ひとりの主人公が無双しているのを見るのが好きな人

・戦闘よりキャラクター同士が揉めたり恋愛してるのが見たい人

・上記のセリフに納得出来ない人

物語はキャラクターの心情を描く物と思っている人にはオススメ出来ないかも。

 

私情になりますが、ワールドトリガーにハマっている友人達は、あまり王道ジャンプ漫画に興味が無いひと達でした。

王道少年漫画ではないけど、少年少女達が協力して、努力して、熱い戦いを繰り広げる話です。これを読んで興味が出た方、今無料で読めるキャンペーンやってるらしいので、これを機にいかがでしょうか。

www.shonenjump.com

 

王道少年漫画ではないをさんざん言いましたが、主人公的ポジションの「三雲修」と「雨取千佳」はかなり王道的な要素を持ったキャラクターですので、そのあたりのバランスを楽しむのもアリだと思います。

長くなりましたが終わります。お疲れ様でした。