次は戦場で会いましょう

かんがえたことを書き記す。

昔のDBファンから観た、ブロリーのはなし

ドラゴンボールは原作を所持して読んでいるくらいで、映画はトランクス悟天が主役のものをうっすら覚えてるくらいです

〇4DXを観に行きました


ドラゴンボールブロリーを観ました。本当に素敵な映画で、ブロリーに五回くらい背中を殴られながらも楽しく見終わりました。おかげで肩がほぐれたよ、ありがとうブロリー
この映画の素晴らしいところは大きく分けて三つだと思います。


「大迫力のアクションシーン」
ブロリーというキャラクター」
「昔のファンもにっこりのギミック」


アクションシーンがこれでもかというほど盛り込まれ、それでいて息をする暇もないスピードですべて通り過ぎていく。技と技の応酬を繰り返しながら、所々に休憩と言わんばかりにギャグシーンが挟んであったのが、まさにドラゴンボールらしい作品でしたね。
これは是非映画館で観るべきだなとしみじみ感じました。アクション映画として金字塔を建てられるくらいの迫力、スリル、緩急、どれを取っても完璧でしたよ。後述しますが、このアクションも、ブロリーという最強の名を語るサイヤ人が敵だったからここまで思い切れた、というのはありそうです。
ブロリーがキレてからの戦闘の連続は、今までの会話のやり取りをすべて吹き飛ばすくらいの勢いで、怒濤の波になって頭の中に流れ込んできます。この映画はヒューマンドラマとしての楽しさもありますが、それ以上にアクション、戦って痺れて盛り上がることにとにかく気合いが入っています。
その戦いの中でキャラクターが「強く」「かっこよく」描かれることに妥協がない!!何が良いって、まったく小ずるくないんですよ。小ずるさなんて塵みたいに吹き飛ばされるくらい強いから。これぞ少年漫画のかっこよさ!と大声で言えるものを追求してきてる作品だと感じました。今の時代、逆にここまで戦って強いかっこよさを表してくれる作品も、貴重なのではないでしょうか。


今回「かっこよさ」を感じた中で、改めて良いなあと思ったのは、強い者は強くなりたいと思いながら更に上を目指していることです。
最近たまに見るのが「特にそんなつもりないけど強くなっちゃった」系の作品で、漫画の宣伝とかでたまに目にするんですけど。今回の映画で、それを見てどこかもやついてた理由が分かった気がしたんです。
目標も理由もなく強くなったところで、それは本人にとっての本当の力にはならないんです。悟空もベジータも、根本的に戦うのが好きで、もっと強い人間と戦いたいからこそ上を目指す。その点今回のブロリーは、実力は強大だけど、その目の前には破滅しかありませんでした。
そんなつもりないけど強くなっちゃったところで、そこから何にも前に進めないんです。新しい道が作られない限り、そこで終わりなんですよね。始めの方にあった何故強くなりたいのかの問いかけは、ただ復讐の道具として生きてきたブロリーとの対比のようにも思えました。そういう点でも、良い作品だと実感出来ます。「不死身の肉体を手に入れても何も出来なければ意味がない」、良い言葉です……。


ブロリーのことは、正直全然知りませんでした。昔ブロリーとトランクス悟天が戦う映画を観たのですが、その時もただの脅威と言いますか、カカロットと発するだけの自然災害のような印象でした。本当は良い人とは風の噂で聞いたことがあったレベルです。
それが今回の映画で大幅に新しく肉付けされたみたいですね(パンフレット参照)。とても魅力的なキャラクターになったと思います。サイヤ人は基本馴れ合わない、プライド高く極悪非道、冷たい印象のキャラクターが多い中、育ってきた環境で不器用ながらも優しく逞しく育ったブロリー
そう、そういう意味では、今回のブロリーって悟空とある意味同じ境遇なんですよね。惑星ベジータで育たなかったからこそ、大きな器を獲得できた二人。ブロリーが見せる純粋な思いは、戦闘においても「これほどまでに純粋だから、戦いながら強くなれる」と、観てる人を納得させる面においても良い方向に作用しています。
後半のほとんどがアクションシーンで埋められながらも、最初のフリーザ軍の描写やバーダックの帰還が丁寧に描かれているので、ブロリーを取り巻く境遇は手に取るように分かります。今までのドラゴンボールのキャラクターは、悟空と一戦を終えてから親交を深めることは多々ありましたが、戦闘中に「このまま倒されないで欲しい」と思わせたキャラクターは少ないでしょう。ラディッツのほうがよっぽど悪役してたね。
もちろんそういうドラゴンボールが好きという人もいるかもしれませんが、今回の「サイヤ人」という悟空やベジータに身近なテーマならば、わたしは今回のスタイルもありだと思っています。


アニメではなく原作単行本派のわたしにとって、フリーザ編はとても印象深い話でした。
今でこそ当たり前になっているスーパーサイヤ人ですが、二度と生き返らないクリリンを殺されたときの悟空の怒りは、圧倒的な「強さ」があったことを覚えています。
あのシーンが名場面としてよく取り上げられるのは、ただ悟空が初めてスーパーサイヤ人になったから、ではありません。
悟空が初めて「キレた」からです。見せ物のように粉々になった親友の身体と高笑いを見せつけられ、クリリンへの弔いや悲しみよりも、殺意とも言える激しい怒りと闘志が燃え上がったからです。散々マイペースだとかのんきだとか言われていたあの悟空が。
今回、それが僅かながらもスクリーンに蘇ってくれたのは、とても嬉しかったです。フリーザサイヤ人をさらに強くさせる方法を、いびつながらに知っているというのは、その間にある奇妙な繋がりを感じてすごく面白かったですね。


そして、どうしてもフリーザに勝てずに悟空に頼み込むベジータの涙も、フリーザ編では同じくらい衝撃的でした。
同じサイヤ人として、フリーザを倒して欲しい。故郷の星が滅びてしまったサイヤ人の生き残りは、もう悟空とベジータしかいない。今思うと「サイヤ人」というものに対する思い入れや設定の深さは、ここから始まっていたような気がします(わたしはアニメはほぼ観ていないのでアニメは分かりませんが……)。
ベジータにとって、今回の悟空にとって、「純粋なサイヤ人」という存在は、それだけで特別な存在なのではないでしょうか。ただ純粋に強さを持ち、使い、その澄んだ心は良い意味で頂点を知らない。
セル編でベジータが言っていましたね。ベジータも、強さを目指す点においては純粋なのだと。
悟空、ベジータブロリー。三人ともが「純粋なサイヤ人」で、その三人が戦いながらどんどん見知らぬ高みを見せてくれたのは、「サイヤ人」極まる戦闘だったと思います。戦闘民族の本気を見せてくれましたね。ブロリーフリーザを圧倒するシーンは、彼らの戦闘民族としての純粋な闘志が、フリーザの圧制を完全に上回ったのだなあと感慨深くなりました。それはそれとして「私はフリーザですよ!?」と手をばたつかせていたフリーザめちゃくちゃ面白かったですが。
なので、ラストの展開も、わたしは納得のいくものだったと思います。今までの敵って悟空と異なるものの色が強かったのですが、今回のブロリーは同じものである色が強いんですよね。悟空が関心を持ち、そしてサイヤ人としての名を名乗ったのも、そういうことなんじゃないかなと考えたりしています。


そして、「大猿」。「大猿」が出てきた時、その力がブロリーのパワーの源だと知った時、第一巻から四十二巻まで漫画を何回も読み返していたわたしとしては、本当に嬉しかったです。
特にラディッツが襲来するまで、大猿は絶対的な脅威として何度も悟空の仲間達の前に立ちはだかりました。見たことのない、完全なる強い化け物として。月を消し飛ばすしか方法がなかったくらいに。
今やドラゴンボール界もパワーインフレ凄まじく、超能力や光線は当たり前で、光線の押し合いもしょっちゅうであるような印象でした。超になってからは少ししか観ていないのですが、人間ではない者(そういうキャラデザでもない者)が増えたな〜と思ったのを覚えています。
元々ドラゴンボールはファンタジー色が強かったのでそこまで気にしていませんでしたが、今回の戦闘は「肉弾戦」「ぶつかり合い」「力とパワーの削り合い」という感じで、腕の、拳の力のねじ伏せあいがとても楽しめました。こんなに「腕」の力がものを言わせる戦闘も、ドラゴンボールならではですよね。その力の一要因として、スーパーサイヤ人だけでない大猿の力も組み込まれていたのは、原点回帰を感じさせられてわたしは嬉しかったです(二回目)(本当に嬉しかったです)。
スーパーサイヤ人という伝説のくだりも、フュージョンを二回失敗するくだりも、大元の原作漫画に見られたやりとりで、観ていてにっこりしていました。
今回の映画、ドラゴンボールを知らない人も楽しめるとはよく聞いていましたが、わたしのように「昔はよく知ってるけど今のはよく知らない」という人も満足げ出来る仕上がりになっていたと思います。久しぶりに、ドラゴンボールに対する熱い想いが、映画を観て沸き上がってきました。あらゆるものを一新させながら、新しいものとして、面白く素晴らしい作品でした。


やはりバトルシーンは劇場で観るのが華なので、もう一度観て来ようと思います。

 


おまけ
4DX、今回が初体験でした。
すっっっごい良かったです。ここまで4DXで観て良かった、もう一度観る時も4DXが良いと思わされるとは。
キャラクターやUFOが浮くときは座席がふわーと上を向いたり、横にゆらゆらと振動したり、アトラクションを楽しんでいる気分になれました。戦闘中も座席は揺れ、なんと無数の光線が放たれると耳元を幾つもの風がブシュシュシュシュっと掠めるんですよ!!!!臨場感!!!!これが一番感動しました。かめはめ波を撃ったときのフラッシュも良い。水に飛び込んだ時はもちろん水が飛びます。背中にたたき付けられた時はマッサージ器みたいな丸い球?が背中をぐりっと押してきます。
映画の内容が良かっただけに、スリリングで楽しい体験をさせてもらいました。普通に座席に座って見るよりも、やはりその場に居合わせてる感じが強くなって、より作品に没頭出来ます。
今回はバトルシーンがとにかく良かったので、相乗効果で4DXの良さも最大限に味わえました。楽しかった-!!4DXでドラゴンボール超ブロリー観るのめちゃくちゃおすすめしたい!!そのへんのアトラクションに乗るより楽しめると思います!


迫力のバトルシーン、魅力的なキャラクター、「かっこいい」を魅せる演出。ドラゴンボール映画20周年に相応しい、素晴らしい作品でした!
感想は以上です。お疲れ様でした!