次は戦場で会いましょう

かんがえたことを書き記す。

浮気は世界の終わりじゃない。

わたしが彼氏さんと付き合って数時間後、当時のわたしは「結婚する気ってあります?」のほかに、もうひとつ大きなことを言っている。「浮気、しても良いですよ」だ。今日はその話をします。

「浮気」というワードで週刊誌や番組がひとつ出来てしまうほど、浮気という言葉は、たびたび世間を賑わせる。それは大抵、「浮気するなんて、サイテー!」という意味合いで取られ、報道されている。そのせいで離婚になったりする。
それはそれで、そういう現象として、わたしはふーんで右から左に通している。何も有名人の誰々が浮気したからといって世界が滅ぶわけでもないので、わたしは特に何かを思うことなく聞き流している。結局のところ、ひとつの家庭の事情ですしね。


でも、まず誤解を招かないように初めに言っておくと、彼氏さんに浮気をされたら、わたしはまず間違いなくさみしい想いをすると断言できます。隣にいないさみしさを抱えるのは、間違いない。だって、彼氏さんのことが好きなんですから。


逆に言えば、それだけの話です。浮気って、なんだかんだで、それだけの話な気がするんです。
彼氏さんが「今日は、仕事関係に集中したいから」と言うときや、「ちょっと、実家に帰らないといけないから」と言うときと、「ちょっと、浮気してくる」というのは、実はそんなに変わらないような気がするんです。つまるところ、「ちょっと、ひおりの知らないところに、ひとりで遊びに行ってくる」と同じではないかと。


わたしは「浮気、しても良いですよ」の前に、「彼氏さんが何かやりたいことがあったら、それに集中してくださいね」とも言いました。
彼には彼の意思があって、やりたいことがあって、その上でわたしを好きになってくれて、そこに惹かれて、わたしは彼とお付き合いをするに至りました。
わたしは、お付き合いをすると決めた時に、「彼の一番の存在になりたい」とは思いませんでした。彼氏さんがわたしを好きになってくれたのもすごく嬉しいし、この気持ちを忘れないようにしようと強く深く思ったけれど、一番に感じたことはそれではなかった。


「この人の隣にいたい」。わたしが今もお付き合いをする時も思っていることは、その一点です。
そのためなら、わたしは努力を惜しまず、自分が良いと思う自分に近づいていこうと、わたしの中で強く誓いました。最近始めた料理も、彼氏さんの喜ぶ顔が好きで作っています。おいしいご飯が待っている場所に人は帰るもの。彼氏さんにおいしいご飯をつくって、彼氏さんのやりたいことを応援する彼女になろうと、その時から決めました。


だからこそ、「浮気、しても良いですよ」と言ったのです。彼氏さんのやりたいことを妨げる彼女にだけはなりたくない、でも彼氏さんが良いと思ってくれる彼女になる努力は止めないでいよう。自分が自分の思う良い彼女になれば、「しても良い」としたとしても、違う誰かと本気の恋をする気なんて起きないだろうから。
これは、彼氏さんの自由を約束するようで、実はわたし自身に対しての誓いでもありました。わたしはあなたの一番になりたいんじゃなくて、あなたの傍でこれから一番長い時間を過ごせたらそれで良いのだと。少しくらい遊びたい時だってあると思うから、わたしは自分をもっと良い自分に成長させて、帰りを待っていると。
こう思えるのも、彼氏さんがどれだけ本気でわたしのことが好きなのか、よく分かるからでしょうね。向こうの気持ちが伝わったからこそ、わたしはお付き合いしようと思えましたから。


では最後に、「浮気、しても良いですよ」と言ったときの彼氏さんとの会話を書いて、今回は終わりです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。


「そういえば、彼氏さん、浮気しても良いですよ」
「え?……どうしてそう思うの?」
「彼氏さんのやりたいことの邪魔はしたくないなって思って……」
「ひおりちゃんは、何とも思わない?」
「それは、めちゃくちゃ寂しいし、悲しくなると思いますけど……」
「じゃあしないよ。ひおりちゃんが寂しくなるならしない」